せどりビジネスで継続的に利益を出すことができるようになると、法人化を検討するケースもあると思います。
ただ、法人化といっても「どのようなメリットがあるのかがあまり分からない」「どのタイミングで法人化したら良いか分からない」という人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、せどりビジネスで法人化するタイミングとメリットおよびデメリットについて解説していきます。
せどりで法人化するメリットとは?
せどりで法人化することのメリットは以下の通りです。
- 収入次第で節税になる
- 経費計上できるものが多くなる
- 赤字の繰越控除可能期間が長くなる
- 条件を満たせば2年間消費税の納税が免除となる
- 社会的信用が得られる
収入次第で節税になる
個人事業主が所得税を支払う場合、累進課税のため5~45%の間で税金が推移することになります。
そして、収入が増えるほど税金が高くなります。
一方、法人化した時の法人税の場合、事業所得800万円を境に税金が変わり、それ以降は税率が一定となります。
そのため、大きく利益が出ている場合であれば、個人事業主よりも法人化した方が節税をすることができます。
たとえば、事業所得が1,000万円だとしたら、個人事業主では33%の税率がかかりますが、法人だと23.2%の税率となります。
経費計上できるものが多くなる
法人化することによって、経費計上できるものをかなり増やすことができます。
法人の場合であれば、自分自身への給与を経費にすることができ、住民税の法人税割もなく均等割にかかる住民税のみで抑えることができます。
また、自宅を社宅扱いにして家賃や光熱費および出張時の交通費や宿泊費も経費にすることができ、退職金の積み立て、交際費、税理士への顧問料なども対象となります。
このように、法人化することで幅広く経費計上ができ、控除額が増えるため節税対策になります。
赤字の繰越控除可能期間が長くなる
法人であれば、赤字が出た際の繰越控除可能期間が長くなります。
繰越控除は、欠損金を翌年以降に繰り越して相殺できるというものですが、個人事業主が3年間の所、法人であれば10年間まで繰越期間が引き延ばされます。
繰越控除可能期間が短かった場合、使いきれないケースも考えられます。
そのため、大きな赤字であれば法人の方が有利といえるでしょう。
条件を満たせば2年間消費税の納税が免除となる
過去2年間の課税売上高もしくは前年1~6月の課税売上高が1,000万円を超えた場合、消費税を納税する必要があります。
ただ、個人事業主として消費税の課税事業者になるタイミングで法人化した場合、最大2年間は課税事業者にならず、消費税を払わなくてすむことになります。
具体的には、会社設立1年目に資本金1,000万円未満、2年目は資本金1,000万円未満かつ前年の前半6ヵ月における売上高または給与等の支払総額1,000万円以下が条件になっています。
社会的信用が得られる
法人化することによって、社会的信用を得ることができます。
そのため、取引や融資等の様々な場面で有利に立ち回ることが可能です。
日本政策金融公庫であれば設立直後でも融資を利用することができるので、仕事の規模を更に大きくしたいという場合は、法人化の検討をおすすめします。
せどりで法人化をするデメリットとは?
ここからは、せどりで法人化するデメリットについて解説していきます。
そのデメリットは以下の通りです。
- 赤字でも税金を支払わなければならない
- 社会保険に加入しなければならない
- 設立や運営に費用がかかってしまう
赤字でも税金を支払わなければならない
個人事業主の場合であれば、赤字経営なら所得税や住民税を負担しなくて済みます。
ただ、法人に課せられている法人住民税の場合は必ず払う必要があり、小規模法人であっても7万円がかかってきます。
ただ、翌年以降で利益が出た場合であれば、赤字に補填できる制度があります。
そのため、赤字が出たとしても、その後に利益を上げて相殺するということが可能で、この場合は法人税を安く抑えることができます。
社会保険に加入しなければならない
法人化すると社会保険に加入しなければなりません。
社会保険の支払額は役員報酬金額の20%ほどとなるので、あまり利益が出ていないと経営を圧迫することになってしまいます。
設立や運営に費用がかかってしまう
法人化して経営していくにあたって様々なコストが発生します。
会社設立の定款認証費用や登記費用で最低20万円ほどかかりますし、税理士や公認会計士への委託料や顧問料なども必要になります。
これらのコストがかかってくるというのが法人化のデメリットの一つといえるでしょう。
せどりで法人化するタイミングとは?
法人化する時期に特に決まりはありません。
ただ、良いタイミングで法人化することによって節税等をすることができるので、下記のタイミングは押さえておきましょう。
- 利益額が800万円を超えたタイミング
- 売上高が1000万円を超えたタイミング
利益額が800万円を超えたタイミング
法人化に最適なのは、利益額が800万円を超えたタイミングになります。
法人税は所得800万円までは15%、800万円を超えると23%になり、それ以降は利益を上げても同じ税率になります。
そして、個人事業主の場合は、利益が上がれば上がるほど税率が高くなります。
そのため、個人事業所得に対しての税率が上がる前のタイミングで法人化することによって、節税が可能になります。
売上高が1000万円を超えたタイミング
個人事業主の場合、2年前の売上高か前年1~6月の売上高が1000万円を超えたら消費税納税の義務が発生します。
ただ、課税事業者になるタイミングで法人に切り替えることによって、最大2年間、免税事業者として認められてます。
ちなみにこれは、資本金1000万円未満の法人に限定されています。
せどりで法人化するにはどうしたらいい?
せどりで法人化しようとする場合、手続き方法に悩むことが多いと思います。
基本的には手続きは第三者に依頼することとなりますが、大まかな流れについては押さえておいた方が良いでしょう。
法人化の手続きは誰に依頼する?
法人化の手続きについては、一般的には司法書士や行政書士、社会保険労務士、税理士といった専門家に依頼します。
ここからは、それぞれの特徴について説明していきます。
司法書士
法人登記手続きを唯一代行できるのが司法書士となります。
そのため、会社設立のみを依頼する場合は司法書士がおすすめとなります。
行政書士
許認可手続きが必要な場合は行政書士がおすすめです。
ただ、登記手続きについては、司法書士に依頼するか自分で行う必要があります。
社会保険労務士
社会保険労務士には、会社設立による雇用手続きや保険加入手続きをサポートしてもらえます。
そのため、新規雇用や助成金の申請を考えている場合におすすめです。
税理士
税理士には、決算処理や税務関係の申告を代行、設立後も節税対策などの様々な支援をしてもらえます。
幅広い業務を代行してもらうことができるので、コストを抑えることができます。
法人化の流れとは?
せどりビジネスを法人化する場合、以下の流れで手続きを行います。
- 会社の基本事項を決めて定款を作成
- 定款の認証を受ける
- 資本金を支払う
- 設立登記をする
これらをするのは膨大な作業量になるので、司法書士や行政書士に依頼するのがおすすめです。
会社設立の費用はおよそ10万円前後がかかってきます。
せどりで法人化する際のポイントと注意点とは?
せどりで法人化する場合、いくつか押さえておくべきポイントと注意点があります。
そのポイントは以下の通りです。
- 人を雇わなければマイクロ法人か合同会社を設立
- 古物商許可を再取得する必要がある
- 自宅住所での法人登録をしない
人を雇わなければマイクロ法人か合同会社を設立
人を雇わなくても法人化はできますが、個人事業主とマイクロ法人を活用することで節税メリットを受けることができます。
マイクロ法人は社長一人もしくは身内だけで運営する小規模会社で、主に節税対策で設立されます。
マイクロ法人のメリットは以下の通りです。
- 消費税の免税対象になる
- 所得税や住民税が節税できる
- 社会保険料の負担を減らせる
- 社会的信用を得やすくなる
また、固定費を抑えて少人数で運営する合同会社という手もあります。
合同会社は出資者が経営権限を持っているため、株式会社よりコストを下げて運営することができます。
古物商許可を再取得する必要がある
法人化した場合、古物商許可を再度取り直す必要があります。
というのも、個人事業主の時に許可証を取得したとしても、法人で引き継ぐことができないからです。
自宅住所での法人登録をしない
法人化する時の住所登録で自宅を選ぶのはやめておいた方が良いでしょう。
様々なところで自宅の住所を公開することになってしまうため、プライバシー保護の観点からもとても危険です。
また、賃貸の場合であれば、そもそも不動産や大家からの許可をもらえないケースが多いです。
まとめ
ここまで、せどりビジネスで法人化するタイミングについて解説してきました。
もちろんメリットやデメリットはありますが、適切な時期に法人化することができればメリットが非常に大きくなります。
そのため、ある程度利益が出てきたら、タイミングを見て法人化を検討することをおすすめします。
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