せどりで1,000万円の売上を超えたら、消費税納税のことも知っておく必要があります。
もちろん税理士に依頼することもできますが、自分でも基礎知識については理解しておいた方が良いでしょう。
そこで今回は、せどりの売上が1,000万円を超えた際の消費税計算方法について解説していきます。
せどりで消費税納税が必要になるタイミングとは?
せどりの売上が1,000万円を超えた場合、「課税事業者」となります。
消費税納税が必要ないのは「免除事業者」であり、年間売上が1,000万円以下の場合に該当します。
ただ、せどりの年間売上が1,000万円を超えたらすぐに消費税納税義務が発生するわけではなく、消費税の納税の判断基準には「準備期間」があります。
その準備期間は、個人事業主は前々年まで、法人なら前々事業年度までです。
準備期間に1,000万円超となるか、特定期間に1,000万円超になると課税事業者となります。
せどりの消費税の計算方法は?
1,000万円以上の売上があった場合、消費税を納税する必要があります。
具体的にいくらの納税が必要かは計算式に当てはめることで分かります。
計算方法は2種類あるので、ここから説明していきます。
本則(原則)課税方式
本則(原則)課税方式の計算式は以下の通りです。
「消費税納税額=売上にかかる消費税額-仕入れにかかる消費税額」
<売上1,000万円の場合>
粗利率 | 仕入れ額 | 売上にかかる消費税 | 仕入れにかかる消費税 | 消費税納税額 | 売上比率 |
10% | 900 | 100 | 90 | 10 | 1% |
20% | 800 | 100 | 80 | 20 | 2% |
30% | 700 | 100 | 70 | 30 | 3% |
40% | 600 | 100 | 60 | 40 | 4% |
50% | 500 | 100 | 50 | 50 | 5% |
(単位:万円)
売上比率で見ていくと、1%~5%が目安となります。
本則(原則)課税方式の場合は粗利率に影響されることになるので、仕入れ段階ではどのくらいかかってくるのか分かりにくい部分があります。
簡易課税方式
簡易課税方式では以下の計算式となります。
「消費税納税額=売上にかかる消費税額-(売上のかかる消費税額×みなし仕入れ率)」
<売上1,000万円の場合>
粗利率 | 仕入れ額 | 売上にかかる消費税 | 仕入れにかかる消費税 | 消費税納税額 | 売上比率 |
10% | 900 | 100 | 90 | 10 | 1% |
20% | 800 | 100 | 80 | 20 | 2% |
30% | 700 | 100 | 70 | 30 | 3% |
40% | 600 | 100 | 60 | 40 | 4% |
50% | 500 | 100 | 50 | 50 | 5% |
(単位:万円)
本則(原則)課税方式に比べると、簡易課税は簡単な計算方法になります。
というのも、みなし仕入れ率で計算するので、仕入れ額に対する消費税額を計算する必要がないからです。
簡易課税は、支払った消費税が少ない場合はお得になりますが、たくさんの仕入れをした場合は、受け取った消費税に比べて支払う消費税額が多くなります。
せどりで消費税を支払わなかった場合はどうなるか
消費税の納税は、課税事業者になってから2年後に発生することになります。
ここで期日までに納税できなかった場合、約1ヵ月程度で督促状が届くようになり、更に納税をしなかったら電話や書面で督促されるようになります。
そして、何度督促しても納税が無かった場合は、最終的には差し押さえとなります。
たとえ少額の税金であっても差し押さえの対象となってしまうので、十分に注意しましょう。
せどりで消費税が支払えない場合の対処法とは?
消費税の課税事業者になると税金を納める義務が発生します。
そこでここからは、せどりで消費税が支払えない場合の対処法について解説していきます。
猶予申請を行う
納税の義務がある場合にそのまま放置すると差し押さえとなってしまいますが、事情があった場合は納税期間を延長してもらえる可能性があります。
その際は以下の条件を満たしている必要があり、猶予期間は原則1年となります。
- 前年同期と比較して20%以上が減少している
- 一時的に納付することが困難な状況
徴収窓口に相談する
猶予期間が終了した場合、納税しなければなりません。
ただ、期限内に納税できない場合は徴収窓口へ相談しましょう。
状況によっては延滞税を軽減してもらえる可能性があります。
融資を受ける
猶予期間が与えられない場合、融資を受けることも選択肢に入ってきます。
ただ、銀行や日本政策金融公庫からの融資は難しいため、不動産担保ローンやリースバックを検討するのがおすすめです。
せどりの消費税納税で困らないためには
せどりの消費税を納税できなくなる等のリスクを避けるために、早めの情報収集をしておきましょう。
押さえておいた方が良いポイントは以下の通りです。
- 法人設立によって2年間免税される
- 簡易課税方式の方が安くなりやすい
- 消費税分を毎月積み立てしておく
法人設立によって2年間免税される
個人事業主から法人になることによって、消費税納税義務を2年間延ばすことができます。
法人化すると節税できるメリットがあるので、せどりの売上が1,000万円を超えたら翌々年に法人化を検討しましょう。
簡易課税方式の方が安くなりやすい
一般的に、簡易課税方式を選ぶと消費税納税額が少なくなります。
ただ、必ず安くなるわけではないので、事前に確認はしておきましょう。
一度選択した方式は2年間変更することはできず、売上が5,000万円を超えた場合は簡易課税方式は選べません。
消費税分を毎月積み立てしておく
消費税を支払えないリスクを防ぐために、毎月積み立てをしておくと安心です。
目安としては、売上の2%~5%を積み立てると良いでしょう。
まとめ
ここまで、せどりの売上が1,000万円を超えた場合の消費税計算方法について解説してきました。
タイミングを押さえておくことによって節税することができるので、まずはいくつかのポイントを把握しておいていただけたらと思います。
◆【なかのしょーた】転売&ビジネス情報
~オープンチャット~
◆物販//せどり&副業情報【Sキングダム】なかのしょーた公式グループ
~ブログランキング参戦中~